第三者承継(譲渡・譲受)
院外の医師・法人に託す、または譲り受ける。
診療所・医療法人・病院。形態によって、承継の方法も、手続きも、税の考え方も大きく変わります。まず全体像を整理してから、最適な道を選びます。
院外の医師・法人に託す、または譲り受ける。
ご子息・ご親族に引き継ぐ。継ぐ側の先生へも。
どちらの場合も、最初に確認したい点と、承継後の備え。
| 889件 | 2025年の医療機関の倒産・休廃業・解散の合計。2年連続で、過去最多です。 |
|---|---|
| 823件 | うち休廃業・解散。診療所は661件で、過去最多です。 |
| 66件 | うち倒産。物価高などで、支出増と収入減が同時に進んでいます。 |
出典:帝国データバンク「医療機関の倒産・休廃業・解散動向調査(2025年)」(2026年1月23日公表)。報道発表の転載。件数は事業者数です。
「閉院か」と考える前に、「承継できないか」を検討する。閉院にも、原状回復、職員の退職金、診療録の保管などの費用と手間がかかり、地域の医療も失われます。税務・法務の手続き、後継者の育成、相手探しには時間がかかるため、理想は、承継の10年前からの準備です。
※目安です。具体的な計画は、現状をうかがったうえで、ご案内します。
| 親族承継 | 第三者承継 | 閉院・解散 | |
|---|---|---|---|
| 概要 | ご子息・ご親族に引き継ぐ | 親族以外の医師・医療法人に引き継ぐ | 診療を終了し、廃止・清算する |
| 向いているケース | 資格と意思のある親族がいる | 後継者がいない/拡大したい医師・法人がある | 引き継ぎ手が見つからない、または引退を優先する |
| 主な課題 | 後継者の育成、持分・相続の税務、親族間の調整 | 相手探し、条件交渉、院長依存の患者・職員の維持 | 職員の雇用、患者さんの紹介先、診療録の保存、資産・負債の整理 |
| 準備期間の目安 | 数年がかりが一般的 | 半年〜1年以上かかることもある | 数か月〜(法人解散は手続きに時間がかかる) |
| 詳細 | 親族承継 | 第三者承継 / 承継開業・譲受 | お問い合わせください |
※期間は一般的な目安です。案件の内容や、行政の運用によって大きく異なります。
| 形態 | 承継の主な方法 | 押さえるべき点 |
|---|---|---|
| 個人立の診療所 | 事業譲渡(親族なら贈与・相続・売買) | 開設者が変わるため、旧開設者の廃止と新開設者の開設の手続き、保険医療機関の指定の取り直しが必要です。診療の空白が生じないよう日程を調整します。建物・設備・リース・賃貸借契約の名義も整理します。 |
| 医療法人(持分あり) | 社員の入退社・役員交代(出資持分の譲渡を伴う)、合併、分割 | 出資持分の評価が高額になりやすく、相続税・贈与税、対価の設計が最大の論点です。2007年4月以降は新設できない法人形態で、現存するものは「経過措置型医療法人」と呼ばれます。 |
| 医療法人(持分なし) | 社員の入退社・役員交代、合併、分割 | 出資持分がないため、持分の譲渡対価という形では対価を受け取れません。退任する理事長への役員退職慰労金など、適正な範囲での設計が重要です。基金拠出型の場合は、基金の返還条件も確認します。 |
| 病院 | 社員の入退社・役員交代、合併、事業譲渡 | 許可病床、地域医療構想との整合、設備投資・借入、多職種の雇用など論点が多くなります。管理者(院長)や診療科ごとの医師確保が成否を分けます。病床再編を併せて検討する場合もあります。 |
※手続きや要件は、都道府県・保健所・地方厚生局の運用により異なる場合があります。個別の手続きは、必ず所管機関にご確認ください。
医療法人の理事長は、原則として医師または歯科医師であることが求められます。医師・歯科医師でない方を理事長にする場合は、都道府県知事の認可が必要です。診療所・病院の管理者(院長)も、医師等であることが前提です。
医療法人は剰余金の配当ができません。営利法人は、原則として病院・診療所の開設者になれません。このため、一般の事業会社のM&Aと同じ形(株式譲渡など)では進められません。
承継の形によっては、保険医療機関の指定や、施設基準の届出が取り直しになります。診療報酬の請求に空白が出ないよう、時期を設計します。
診療所の価値の多くは、院長先生ご自身にあります。承継後に患者さんが離れないよう、引き継ぎ期間の設定や、非常勤での継続勤務なども検討します。
未払い残業代、診療報酬の請求誤り(返還)、リース・保証債務などの潜在債務は、承継後に問題になりやすい点です。譲受側は詳細調査で、譲渡側は事前の整理で備えます。
説明の時期と順序を誤ると、職員の離職や患者さんの不安につながります。キーパーソン(看護師長、事務長等)への伝え方も含めて設計します。
持分あり医療法人では、出資持分の評価額が高くなり、相続税・贈与税が承継の障害になる場合があります。対応の選択肢として、次のようなものを比較します。
移行後は出資持分の払戻しを受ける権利がなくなるなど、不可逆的な影響があります。また、認定医療法人制度の認定期限は、厚生労働省の案内では令和11年12月31日までとされています(令和8年9月15日更新の案内による)。要件・手続きは変わることがあるため、最新の内容を確認のうえ、税理士等の専門家と連携して検討します。
用語の意味は基礎知識(用語集)、評価の考え方は評価と譲渡対価の考え方をご覧ください。
はい。後継者が未定の段階こそ、選択肢を整理する好機です。親族承継と第三者承継のどちらも視野に入れてご相談いただけます。
問題ありません。「自院の評価はどのくらいか」「承継するなら何から始めるか」といった整理だけでも承ります。途中でやめる判断も、もちろん可能です。
ご相談内容の秘密は厳守いたします。第三者に情報を開示する場合は、守秘義務を結んだうえで、医療機関を特定できない匿名の概要資料から段階的に進めます。院名の開示は、先生のご了承を得てからです。
案件により異なります。第三者承継は、半年〜1年以上かかることが一般的です。親族承継は、後継者育成を含めて数年かけて進めます。
条件次第で可能です。患者さんの引き継ぎのために、一定期間、勤務を続ける形をとるケースもあります。譲受側と事前に合意しておきます。
承継の形によって異なります。事業譲渡では、職員の雇用の引き継ぎについて個別の手続き・同意が必要になる場合があります。法人ごと引き継ぐ形では、雇用関係はそのまま継続するのが一般的です。事前に承継後の処遇を、譲受側と協議しておきます。
案件によります。業績・立地・設備・院長への依存度などで、可否や条件は変わります。まず現状を整理したうえで、現実的な選択肢(条件の見直し、時期の調整、閉院を含む)をご提案します。
費用は、ご相談の内容や、お手伝いする範囲により異なります。初回のご相談は無料です。仲介支援の場合、着手金・月額報酬はいただきません。また、独占契約の縛りもありません。契約の前に、費用の体系と金額の考え方を、書面または電磁的方法でご説明します。ご説明を聞いたうえで、ご依頼いただくかどうかをお決めいただけます。まずはお問い合わせください。
後継者が決まっていない段階でも、承継の時期や方法を整理するところからご相談いただけます。他の承継の成功事例や、そのための事前準備、失敗事例からの反省など、さまざまなケースもお伝えし、先生の医院に合った承継の個別相談を組み立てます。初回のご相談は無料です。秘密は厳守いたします。
承継について相談する(初回無料)お電話:050-1808-3393